サカイ優佳子の食育のヒント
レモン&ポピーシードのマフィン
「アメリカでは昔から食べられているポピュラーなマフィンなんですよ。」
あるカップルと話していた時に伺いました。ふだんは仕事で忙しくすれ違いが多いけれど、休みの日の朝に、アメリカ人の彼がレモン&ポピーシードのマフィンを焼いて二人でゆったり楽しむこともあるのだとか。日本ではあまり見かけることがないこのマフィン。「レモンの酸味とポピーシードのプツプツがたまらないんです」、と話す彼の表情と言ったら、、。
「マフィンにはベーキングパウダーだけでなく、ベーキングソーダ(以後重曹)も入れなきゃね。」マフィン作りに関して、彼にとっては外せないポイントのようです。
重曹を使うと生地がアルカリ性に傾くことで、いわゆる「メイラード反応」(アミノ酸と、ブドウ糖、果糖、乳糖などの還元糖とが結びつくと、加熱することで焼き色が付き、旨味や香りが引き出されること)が早く進み、きれいな焼き色がつきやすいと言われます。日本ではベーキングパウダーだけを使うスイーツレシピが主流。それは問題ないのですが、重曹だけで作るのはNG。苦味が強くて食べられないモノができてしまうので要注意です。
子どもたちが幼い頃、よくマフィンを焼きました。当時買い求めたアルミのマフィン型は今も現役。油もすっかり馴染んでいるので変にくっつくことももうありません。子どもたちが家を出てからはあまり使わなくなっていましたが、レモン&ポピーシードのマフィンの話を聞いて、久しぶりに焼きたくなりました。本当はブルーグレイのポピーシード使うと色も食感も特徴が出るのですが、残念ながらすぐに入手できず。バターを溶かすのが面倒でココナッツオイルを使って卵なしのレシピにしてみました。気楽にお試しください。本場アメリカのもの、食べて見たいです。
#166 お気楽レモン&ポピーシードのマフィン 材料(直径6cm 深さ3cmのマフィン型 5個分程度)
- 炊きたてのご飯(固めに炊く) お茶碗3杯分程度
- 赤梅酢 大さじ2
- スモークサーモン 100g
- アボカド 1個
- 大葉 4枚
- 万能ネギ 2本 ★A
- {薄力粉 150g
- ベーキングパウダー 小さじ1.5
- 重曹 小さじ1/8
- 塩 ひとつまみ}
- {ココナッツオイル(溶かしバターで代用可)大さじ5
- プレーンヨーグルト大さじ5
- メープルシロップ(蜂蜜で代用可)大さじ4}
- {ポピーシード 大さじ1.5
- 国産レモンの皮すりおろし 1個分}
作り方
- Aを合わせ混ぜる。
- Bを1に加えよく混ぜる。
- Cを2に加え、さっくりと混ぜたら、180度に予熱しておいたオーブンで25~30分焼く。
※焼きたては上はカリカリですが下はフワフワしているので扱い注意。
教えてくれた人
サカイ 優佳子 サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
https://yukakosakai.com/