「蒸す」の基本をご紹介!カジキマグロのトウチ蒸し

「蒸す」の基本をご紹介!カジキマグロのトウチ蒸し

旅行が好き!食べるのが好き! 世界各地を子連れで訪れ学んだ家庭料理をベースに生まれたレシピや、食品ロス削減、冷蔵不要で省エネ、防災食にもなるDRYなFOOD「乾物」を使ったレシピなどを紹介します。

「蒸す」の基本

我が家では、秋から冬にかけて蒸し器が大活躍。お皿ごと蒸してそのまま食卓に出せば、熱々が持続するのがいいのです。

ところで、蒸し器は、間違った使い方をすると「うまくできない」ということにもなります。

以前、講座で蒸しご飯の作り方をお伝えした後に、お二人から「指定の時間蒸してみたのですが、ご飯がまだ硬いんです」というご連絡をいただきました。

どうやって作ったかをそれぞれに伺ってみると、原因がわかりました。
お一人は、大きくて深い器にたっぷり入れて蒸していました。
もうお一人は、お湯が沸騰して蒸気が上がる前から器を蒸し器に入れて、そこから時間をカウントし、沸騰したら弱火に変えて蒸していました。

蒸し器で蒸す場合、器が大きくて深いと、たっぷり入った具の真ん中あたりには、なかなか熱が届きません。蒸す時は、具の深さは5cm程度までと考えています。茶碗蒸しなどはもう少し深くなるかもしれませんが、器の直径が小さければ、横からの熱が入るので問題ありません。

蒸し器を使うときは、しっかり蒸気が上がってから具材を入れます。
その後弱火に変えるものは、
● スペアリブなど、骨からホロホロと崩れるような柔らかさに仕上げたい場合
  弱火に変えて2〜3時間蒸します。
● さつまいもなどの根菜類
  甘みを引き出すために弱火に変えて30分ほど蒸すと美味しくなります。
● 卵をつかった料理
  「す」が入らないように弱火で蒸します。

蒸しご飯や、今回ご紹介する魚などを蒸すときは、蒸気が上がってから食材を入れたら、常に強火で蒸すのが基本です。

ぜひ作ってみてくださいね。

#240 カジキマグロのトウチ蒸し

材料

カジキマグロ 300g
A {塩 ひとつまみ、酒 大さじ1}
スライス干し椎茸 10g
長ネギ斜め薄切り 1/2本分
生姜みじん切り 小さじ 1.5
鷹の爪の小口切り 1/2本分
B {トウチ 大さじ1、紹興酒・醤油 各大さじ1、ゴマ油 小さじ1/2}
香菜などの青み 少々

作り方

1. 干し椎茸は、ひたひたの水(分量外)に15〜20分ほど浸けて戻す。
2. カジキマグロは、一口大に切ってAで下味をつける。
3. 少し深さのある皿に2を並べ、その上に戻し汁ごとの1、長ネギ、生姜、鷹の爪をのせ、Bを混ぜたものを回しかける。
4. 蒸気のあがった蒸し器に3を器ごと入れたら、魚に火が通るまで強火15分ほど、蒸す。
5. 香菜を刻んで飾る。

一尾もので作る方が美味しいので、マナガツオ、イトヨリなどが手に入れば、ぜひ。カジキマグロガなければ、生タラやギンダラ、スズキなど、他の白身魚で作っても。

時間があれば、丸の干し椎茸を7〜8時間水で戻してから、薄切りにして使うと、より美味しくなります。

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教えてくれた人

サカイ 優佳子 サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

https://yukakosakai.com/

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