お雛祭りやいちごが旬を迎える春に。いちごのリゾット

お雛祭りやいちごが旬を迎える春に。いちごのリゾット

旅行が好き!食べるのが好き! 世界各地を子連れで訪れ学んだ家庭料理をベースに生まれたレシピや、食品ロス削減、冷蔵不要で省エネ、防災食にもなるDRYなFOOD「乾物」を使ったレシピなどを紹介します。

春には、いちごのリゾットを!

私がいちごのリゾットを作り始めたのは20年くらい前でしょうか。
「イタリアではいちごのリゾットを作るらしい」とある時耳にしました。「甘いスイーツではなくて、チーズを効かせて作るらしい」とも。思わず海外のサイトを調べて、レシピのいくつかを参考にしながら何度か作ってみて、自分ならではのレシピにまとめたと記憶しています。その後、お雛祭りやいちごが旬を迎える春になると、このリゾットを作り続けてきました。

ほんのりピンク色のリゾット。いちごの甘味と酸味とが絶妙な味を出してくれます。赤ワインやブランデーを効かせ、ローズマリーの風味を添えることも。仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノチーズをたっぷりとふりかけます。

今となっては豆腐を使ったスイーツも当たり前に受け止められていますが、実は豆腐を甘くして食べるのはアメリカからの逆輸入で日本に入ってきたのを今も覚えています。「豆腐をスイーツに?」と驚いたものでした。

2015年、ミラノで乾物のイベントを開催した時、来場した方々に煮干しをヨーグルトで戻してから小麦粉とハーブをふり、オリーブオイルで揚げたものを試食してもらいました。イタリアの人たちは、子どもたちも含め、「美味しい!」と行列に何度も並ぶほどの大人気。一方で、日本人の中には「美味しいのですが、これ、煮干しなんですよね?」と頭の中に「?」が浮かんで混乱している方もいらっしゃいました。

このいちごのリゾットも、イタリアの伝統料理ではなく、80年代に料理の実験が多く行われる中で生まれたものなのだそうです。でも今はイタリアで広く知られ、作られるようになったとのこと。食については保守的と言われるイタリアでも、こうして新たなおいしさを発見し取り入れているのですね。

とても簡単に作れる料理です。「いちごを料理に?」と最初は抵抗があるかもしれませんが、ぜひ作ってみてくださいね。驚くと思いますよ~。

#246 いちごのリゾット

材料(二人分)

バター 大さじ2
にんにく みじん切り 1かけ分
玉ねぎ(中)薄切り 1/2個分
米 1合
いちご 12個
ブランデー 大さじ1
赤ワイン 大さじ1
野菜ブイヨン 400ml
ベイリーフ(ローリエ) 1枚
あればローズマリー 3cm
パルミジャーノレッジャーノチーズ (あるいは粉チーズ) 1/2カップ
塩・胡椒 各少々

作り方

1. 鍋にバターを溶かして、にんにくと玉ねぎを中火でしんなりするまで炒める。 
2. 1に米を洗わずに加え、全体に油脂が周り、少し透明感が出るまで炒める。
3. 2に4つに切った8個分のいちごを加えひと炒めしたら、ブランデーと赤ワインをふり、野菜ブイヨンとベイリーフ、ローズマリーを加え、蓋をして15分ほど、米がアルデンテになるまで弱火で煮る。
(途中1〜2回かき回し、水分が足りないようなら野菜ブイヨンを加える)
4. 残りのいちごを食べやすい大きさに切って加え、パルミジャーノレッジャーノチーズを加え混ぜる。
5. 塩・胡椒で味を調えたら、器に盛る。

※仕上げにいちごやローズマリーを飾っても。
※最後にバターやオリーブオイルをプラスしても。

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教えてくれた人

サカイ 優佳子 サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

https://yukakosakai.com/

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