答えてくれたのはこの人
シェフパティシエ
清家達也さん
〈パティスリー・ル・ネグレスコ〉はどんなブランド?
―まずは〈パティスリー・ル・ネグレスコ〉の紹介をお願いします。
清家さん:2019年1月に東急田園都市線の宮崎台でオープンしました。伝統的なフランス菓子のベースを大事にしながら、私独自のエッセンスや発想、オリジナリティをプラスした菓子作りをコンセプトにしています。
―清家さんご自身は、お菓子作りにおいてどんなことを大切にしていますか?
清家さん:どうしてこの味になるのか、どうしておいしくなるのか、というロジックは押さえつつ、食感や香りといった感覚的な部分も大切にしています。そして、何回も作って自分で食べてみて、納得のいくまで進化させることですね。
―では、お店として大切にしていることは?
清家さん:自分が幼い頃、ケーキ屋さんでショーケースいっぱいのお菓子を見て感動した記憶があるので、お客様に選ぶ楽しさやワクワク感をお届けできるよう、ケーキも焼き菓子も種類をたくさんご用意するようにしています。
緑・赤・白の3色でクリスマスリースをイメージ
―今年のクリスマスケーキの紹介をお願いします!
清家さん:東急百貨店限定でご用意した、こちらの「ピスターシュ・ルージュ」です。
清家さん:クリスマスリースをイメージした“輪っか”のデザインです。色合いもクリスマスイメージで、ピスタチオとフランボワーズとバニラを使い、緑と赤と白で構成しました。
清家さん:見た目の部分では、無機質にならないように意識しました。例えるなら、クールでかっこいいコンクリート打ちっぱなしの家ではなく、どこか温もりのある木造の家のイメージですね。きれいなことも重要ですが、ケーキは食べ物ですから、何よりも「おいしそう」と思わせることを重視しました。
―たしかに、どこか親しみも感じます。石垣のような側面のデザインも独特ですね。
清家さん:ちょっと変化を加えたくて、フランボワーズのジャムをランダムに入れて動きをつけました。茶色い中に赤いラインがあるとすごく目立つので。もちろんですが素材にもこだわっていて、ピスタチオはイタリア産、フランボワーズピューレはフランス産、バニラはマダガスカル産のものを使用しています。
中身は3色の3層構造。全体の味のバランスは?
―中身やデコレーションなど、全体の構成も教えてください。
清家さん:表面の赤い円はバラの香りのフランボワーズジュレで、その上に絞ったのがホワイトチョコレート入りのピスタチオクリーム。そして最後に、苺とラズベリー、ブルーベリー、バラの花びらをあしらいました。
清家さん:まわりを囲む側面と底部分はピスタチオのビスキュイで、中身は一番上がピスタチオのババロア、中央がフレッシュな果肉も入れたフランボワーズムース、一番下がバニラムースです。バニラムースと底の生地の間にはキャラメリゼしたアーモンドと砕いたココナッツを入れて、食感のアクセントにしました。
―味わいは、やっぱりピスタチオが強い感じですか?
清家さん:ピスタチオがメインですが、すごく強いわけではなく、フランボワーズと半々くらいの感じです。全体の味わいの最良のバランスを見つけるのが難しかったですね。重たくならないように何度も試作してブラッシュアップしながら完成に行き着きました。
―おすすめの食べ方も教えてください。
清家さん:一番上のクリームから一番下のビスキュイ生地まで、すべてをまとめて食べていただくのがベストです!でももちろん、クリームだけなど、部分部分で食べていただいてもおいしいですよ。
―では最後にお客様にメッセージをお願いします!
清家さん:クリスマスという一年に一度の大切な日に、当店のケーキが花を添えることができればうれしいです。そして、「楽しかった」「おいしかった」と記憶に残り、皆さんの幸せな時間の一部になれたらと思います!
