答えてくれたのはこの人
統括マネージャー/クリエイティブディレクター
松崎梨絵さん
昭和の粋人、金谷鮮治の美学を受け継ぐ〈ジョンカナヤ〉
―まずは〈ジョンカナヤ〉のブランド紹介からお願いします。
松崎さん:栃木県日光市にある鬼怒川金谷ホテルの創業者で、類い稀なる美意識とダンディズムを持ち合わせた昭和の粋人、JOHN KANAYAこと金谷鮮治の美学を受け継ぐショコラトリーです。
―ブランドとして志していることも教えてください。
松崎さん:金谷鮮治から受け継ぐ「和敬洋讃」の精神と「古き佳き」を大切に、より豊かで紳士的なライフスタイルを提案し、味覚の幅を広げること。そして、彼が大切にしていたダンディズムの精神をベースに、彼が愛した葉巻やお酒などの嗜好品文化をショコラを通して表現することですね。
―商品作りにおけるこだわりはどんなところですか?
松崎さん:味に関しては、とにかくバランス。足し過ぎでもなく、引き過ぎでもなく。ワインのように味のファースト、セカンド、アフターを感じられることが価値だと考えています。デザインに関しては、贈った人が「この人ステキ」と思われるようなもの、男性が手土産として持参したときにカッコがつくもの、というのを意識しています。
ハートの彩りに想いを込めたバレンタイン限定アソート
―2026年のバレンタインのテーマを教えてください。
松崎さん:テーマは“With love, always あなたのことを想い続けます”です。金谷鮮治への憧れや敬意といった「JOHN KANAYAへのときめき」を軸にしたストーリーで、“本物は時代遅れにならない”ことをお伝えします。
―では、おすすめアイテムの紹介をお願いします!
松崎さん:まずはこちらの「ボンボンショコラ クールルージュ」から。
松崎さん:おいしさと品質を封じ込める、という意味を込めて手紙のシーリングのモチーフを取り入れた定番ボンボンショコラのアソートですが、左から2番目の薬指の位置の粒だけを、マリッジリングに見立ててシーズン限定でハートにしました。
―ひとつだけハートというのが、なんとも素敵ですね。
松崎さん:ここ数年でバレンタインの意味合いは大きく変わってきていますが、それでもやっぱり、大切な人に想いを伝えることが日本でのメインストーリーなので、そこは大事にしたくて。フレーバーは通常どおり、左からアメール、ノアール、ミルク、アールグレイ、キャラメルの5種。すべてお酒を使っていません。
続いて、同じような形状をした、こちらの「クレージーカクテル スピークイージー」を。
松崎さん:テーマは“バー文化の継承”。お酒×お酒、お酒×スパイスなど、2種のフレーバーのガナッシュを2層にして封じ込め、カクテルの味わいを表現したボンボンショコラのアソートです。ちなみに商品名にある「スピークイージー」は、禁酒法時代のアメリカにおける闇バーの通称なんですよ。
―勉強になります!では5種それぞれの解説もお願いします。
松崎さん:黄色のハートは、スイスの小さな蒸留所が造るバナナリキュールとブランデーを組み合わせた『バナナアレキサンダー』。茶色の『ゲーリックコーヒー』は、スコットランドのグレンアラヒー蒸留所のシングルモルトウイスキーとコーヒーの組み合わせ。そして青の『スパイシーペッパー』は、同じくグレンアラヒー蒸留所のピートが効いたウイスキーを使い、黒胡椒と組み合わせたもの。この3種は新作です。
松崎さん:赤の『ゴッドファーザー』は、スコットランド・アラン島のウイスキー「アランモルト10」とリキュール「アマレットディサノーロ」の組み合わせ。緑の『カフェメンタ』は、イタリア製ミントリキュール「ブランカメンタ」とコーヒーの組み合わせ。この2種は定番人気のフレーバーです。
―1品目の「ボンボンショコラ クールルージュ」とは違い、すべてハートモチーフで、色とりどりなのも特徴ですね。
松崎さん:女性の目をひきたくて。1人でバーに行くのはちょっとハードルが高いので、これをきっかけにしてカクテルを知ったり、こんなお酒があるんだという発見を楽しんでいただければ、という想いを込めました。
日本のお酒造りの素晴らしさを発信するアソートも登場
松崎さん:もうひとつご紹介したいのが、こちらの「ラグジュアリー ボンボン ジャパニーズ」です。
松崎さん:日本国内で造られる5種類のお酒を使用した、日本のモノ作りの素晴らしさを発信するアソートです。シガーといっしょに愉しんでほしいという想いを込めて、葉巻をイメージした木箱に入れました。
―木箱は雰囲気がありますね。それぞれの粒の紹介もお願いします!
松崎さん:こちらの粒の中身は、それぞれ単一のガナッシュです。一番左は、神奈川県相模原市の伊勢屋酒造が造る「フェルネットアマーロ」を使った『スカーレット』。白い粒は、瓶内二次発酵によるスパークリング日本酒を世界で初めて開発した、群馬県の永井酒造が食用米を使って醸す「水芭蕉 雪ほたかスパークリング」をホワイトチョコとあわせた『雪ほたか』です。
―ひとつだけ白いのもアクセントで可愛いです!
松崎さん:真ん中は、日本と欧州の蒸留酒造りの技術や哲学を融合させる、鹿児島県南九州市のAKAYANE蒸留所による赤山椒クラフトスピリッツを使った『赤山椒』。その隣は、世界で活躍するバーテンダーが「日本のフレーバーを世界へ」という想いで手がける柚子胡椒リキュールを使った『柚子胡椒』。そして一番右が、岐阜県郡上八幡の大地の恵みに魅せられた造り手、辰巳蒸留所が造る希少なスピリッツ「アブサン」を使った『アブサン』です。
使っているのはいずれも造り手の想いや愛情が詰まった貴重なお酒で、私も苦労して辿り着いたものばかりなので、その名を汚さないよう、その価値にふさわしい味わいに仕上げました。私の想いもたっぷり詰まっています!
―熱い想いが伝わりました!お客様には〈ジョンカナヤ〉のチョコレートをどのように楽しんでいただきたいですか?
松崎さん:嗜好品なので、あまり難しく考えずにお楽しみいただければと思いますが、おいしい!と思ったときに、その中に入っているお酒に興味を持ったり、そこから会話が生まれたり、何かのきっかけになればうれしいです。 Enjoy JOHN KANAYA!いっしょにバレンタインを楽しみましょう!