答えてくれたのはこの人
シェフ 菊地賢一さん
お店として掲げているテーマは「伝統と革新」
―まずは〈パティスリー レザネフォール〉の紹介からお願いします
菊地さん:「伝統と革新」「レトロモダン」をテーマに掲げ、2012年に恵比寿でオープンしました。開業する頃に流行っていた「再構築」という概念をベースに、フランス菓子の伝統的なものを一度崩し、もう一度組み上げるときに新しい要素を入れて、クラシックなものを“今っぽく”工夫して表現するということを意識しています。
―「レザネフォール」という店名にはどんな意味が?
菊地さん:「レザネフォール」は「1920年代のフランス」を指す言葉で、直訳すると「狂気狂乱の時代」。クラシックスタイルからモダンスタイルへ移行していく、自由と活気に満ちた繁栄の時代のことで、そういった意味合いを店名に込めました。
―菊地さんご自身のお菓子作りのこだわりも教えてください。
菊地さん:大切にしていることは、味わいでも香りでも、主役と脇役、メインとサブをはっきりさせることですね。そうすることで、バランスの取れたお菓子を作れるように工夫しています。時代時代の流行りもありますので、そのあたりもよく考慮するようにしています。
ホワイトチョコレートで花のようにデコレーション
―では、今年のクリスマスケーキの紹介をお願いします。
菊地さん:東急百貨店限定でお作りした「フルールドノエル2025」です。
菊地さん:ホワイトチョコレートを使ってデコレーションした花のような見た目が特徴の、東急百貨店限定でお作りしたスペシャルクリスマスケーキです。
―おっしゃるとおり、もう“花そのもの”ですね。とてもエレガントです!
菊地さん:さりげなく食用ラメをふりかけることで、さらなる華やかさやエレガントさもプラスしました。
―腕の見せどころは、やっぱり花のデコレーションですか?
菊地さん:そうですね。花びらの形を作ってから一枚一枚を配置していくので、すごく手はかかりますが…見た目も楽しくて華やかでインパクトもありますので、その魅力を優先して。こういったデザインが好きな人の心に響けばうれしいですね。
中身はムースやジュレ。外見との色のギャップも楽しんで
―中身はどうなっているんですか?どうやってカットするのかも気になります!
菊地さん:花のデコレーション部分はまるごと取り外せるので、一度どかしてから本体だけをカットすることができますよ。本体の中身は上から、ラズベリーの果肉も入った苺ムース、ラズベリージュレ、ビスキュイショコラ、ショコラムースという構成で、それをホワイトチョコレートでコーティングしています。
菊地さん:甘酸っぱい苺ムースとカカオ感あふれるショコラムースで酸味と甘味のバランスが良く、ベリー系はホワイトチョコレートとの相性も抜群です。外見は真っ白ですが、カットするとピンクのムースと赤いジュレが顔を出して、見た目のギャップもお楽しみいただけるかと。
―デコレーションのホワイトチョコレートは、どう味わうのが正解ですか?
菊地さん:花びら1枚ずつにしたり、カットしたりして、本体を切り分けた後に再度のせていっしょに味わってもいいですし、本体とチョコレートを別々に食べてもいいですし、味わい方はお好みですね。
―ケーキ自体にリボンが巻かれているのも可愛らしいですね。
菊地さん:フランスでは割とよく見るスタイルではありますが、より華やかに見えるように巻いてみました。 ご家族でもカップルでも、いろんな方々に楽しんでいただきたいという想いを込めて今年のクリスマスケーキをお作りしました。目で見たときの楽しさや美しさ、そして、口に入れたときのおいしさ。その両方の感動をクリスマスのパーティーのテーブルにお届けできればと思います!
