答えてくれたのはこの人
エグゼクティブシェフパティシエ
永井翔也さん
シェフのお菓子作りのこだわりやスタイルは?
―東京を代表するラグジュアリーホテルでエグゼクティブシェフパティシエを務める永井さんですが、永井さんにとってお菓子作りとは?
永井さん:お菓子というのはすごく深いもので、アートに近いと捉えています。どう作ろうか、どういう構成にしようか、絵を描くようなイメージで考案して。目から入る楽しさも大事なので、そういう意味でもお菓子作りはアートだなと。
―永井さんのお菓子作りは、どんなスタイルでしょう?
永井さん:私はカナダとアメリカで修業したので、お菓子の考え方がフランス志向ではなく、「ヘーゼルナッツよりピーカンナッツ」みたいな感覚があります。と言っても修業先のシェフはフランス人だったので、フレンチのスタイルも取り入れつつ、アメリカのテイストや日本人の感覚もミックスした、そんなスタイルですね。
―味へのこだわりや嗜好は?
永井さん:カナダとアメリカで学んだ影響もあるのか、個人的に濃い味が好きなので、私が作るお菓子は味のはっきりしたものが多いかもしれません。ホテル インターコンチネンタル 東京ベイのお客様も8割がインバウンドの方なので、味も濃い目でサイズも大きいケーキが好まれるという側面はありますね。
巨大な苺?がのせられた、目にも楽しいデコレーション
―では、今年のクリスマスケーキの紹介をお願いします。
永井さん:こちらの「エクラ・ド・フレーズ」です!
永井さん:大きな苺をかたどった苺ムースを中央に配し、クリスマスケーキの王道であるショートケーキにさらなる華やかさと遊び心を添えました。東急百貨店の今年のクリスマスのテーマが“ドラマティック ジュエル”ということなので、金箔でキラキラ感もプラスして、真っ赤な宝石のようなイメージで。
―インパクトがありますね!ちょっとびっくりします!
永井さん:「なんだこれは!」と驚いて楽しんでいただくというのも狙いです。ラズベリージュレでコーティングすることで光沢を出し、苺の表面感も再現して、ヘタまでしっかり付けました。ヘタの部分もチョコレートなので食べられますよ。
―デコレーションや色味も可愛らしいです。
永井さん:華やかさやエレガントさを出すために上面の生クリームはフリルのように絞って飾り付け、側面はピンクから白へのグラデーションをつけて、雪の結晶の形のホワイトチョコレートもあしらいました。ちなみに…この生クリームのデコレーション、けっこう難しいテクニックがいるんです、伝わらないかもしれませんが(笑)
中身は王道ショートケーキ!贅沢に3層のスポンジで
―中身の構造はどうなっているのでしょうか
永井さん:作りはシンプルなショートケーキです。シロップを含ませてしっとり感を出したスポンジを3層に重ね、その間には苺スライスと生クリームを。生クリームは脂肪分の違う2種類をブレンドし、コクがありながらも重すぎない味わいと口溶けに仕上げました。大きな苺の中身は、ぎっしりの苺ムースです!軽やかなショートケーキとのバランスを崩さないように、ムースもなるべく軽めの味わいに仕上げています。
永井さん:上には苺とブルーベリー、ラズベリー、そしてエディブルフラワーをのせ、可愛らしいサンタさんを飾りつけた、王道の“THEクリスマスショートケーキ”ですね。
―ムースの部分はどうやって食べるのがおすすめですか?
永井さん:ムースだけ別に食べても、ショートケーキといっしょに食べても、お好みです。じゃんけんで買った人が独り占めしてもいいですし。
―楽しいクリスマスパーティーの様子が目に浮かびますね。
永井さん:ショートケーキというとお子様が喜ぶイメージですが、大人でも楽しめるようにお作りしましたので、ファミリーだけでなく、女子会やカップルなど、いろいろな人やシーンのために選ばれればうれしいです。皆さんにとって特別な日であるクリスマスが、このケーキによってさらに特別なものになることを願っています!
