〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉の特別なショコラに込められた、能登への想いと、FARM to BARへの情熱と
2024.12.27
ペルーの自社農園でカカオを栽培し、カカオ豆から1枚のショコラタブレットになるまでを一貫して手掛ける、「FARM to BAR ショコラブティック」でもある〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉。日本を代表するパティシエでありショコラティエ、辻󠄀口博啓さんの情熱が込められた同ブランドの、今年のバレンタインのおすすめ商品について辻󠄀口さんご本人に伺いました。
FARM to BARを体現する〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉
―まずは改めてブランド紹介をお願いします。
辻󠄀口さん:世界のカカオの香りや味わいを日本の素材・文化と融合させて一粒のショコラに込め、日本から世界に発信しているブランドです。2003年にスタートし、ショコラの可能性を日々追及しながら、和素材や発酵をテーマに様々なショコラを創造しています。
―自社で農園も所有されているんですよね?
辻󠄀口さん:はい、2022年にペルーにカカオの自社農園を取得しました。農園の管理からカカオ豆の栽培や発酵、乾燥、焙煎、そしてショコラ作りに至るまでを一貫する、日本発の「FARM to BAR ショコラブティック」としてショコラの原点の部分を突き詰めています。
―これから力を入れていきたいことなどはありますか?
辻󠄀口さん:「フェルマンタシオン(発酵)」の世界の中で、よりオリジナル性を高めていきたいと思っています。FARM to BARだからこそできるトライですね。それが次なるステップです。
出身地、能登への想いを込めた特別なアソートが登場
―では、今年のバレンタインのおすすめ商品を教えてください。
辻󠄀口さん:こちらの「C.C.C. 能登の大地の恵み」です!
辻󠄀口さん:「能登半島への感謝と復興を願う」をテーマに、被災された生産者の方々を応援する想いも込め、能登の豊かな素材を使って作り上げた4粒のボンボンショコラアソートです。
―能登といえば辻󠄀口さんの出身地ですね。
辻󠄀口さん:能登半島の北部に位置する石川県七尾市の出身です。そんな私が能登の食材を使い、そして賞を取ることで、少しでも能登を盛り上げることができればという想いを込めて、このショコラを作りました。おかげさまで、世界最大級のショコラの祭典「サロン・デュ・ショコラ」内で発表されるショコラ品評会「C.C.C.※」にて、最高評価のゴールドタブレット(金賞)を受賞させていただきました。〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉としては8回連続の最高位受賞となります。
※Club des Croqueurs de Chocolat(クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ)の略。1981年に設立された世界的に権威のあるショコラ愛好家の会。
パッケージの模様は輪島市白米町にある棚田「白米千枚田」をモチーフにしてデザインされたもの。
―それぞれの味わいや使われている素材など、一粒ずつ紹介をお願いします。
辻󠄀口さん:まずこちらの「テロワール能登」は、能登の大地の恵みを閉じ込めたボンボンショコラです。
辻󠄀口さん:被災してしまった地元のワイナリー「能登ワイン」のワイン、そして能登半島で採れる「能登いちじく」と「能登クロモジ」を使用していて、中身は3層構造です。
―名前のとおり、能登の大地の恵みを感じる一粒ですね。
辻󠄀口さん:クロモジやいちじくなど、能登の大地の恵みをプラスすることで、能登ワインがより引き立つのではと考え、能登クロモジの香り、能登いちじくの風味や種の食感までお楽しみいただける一粒に仕上げました。3種の食材の完璧なマリアージュが生み出せたのではと思っています。
続いて2つ目は、こちらの「ふきのとう」です。
辻󠄀口さん:深い雪の中から力強く芽吹くふきのとうは、復興のイメージとも重なると思って採用しました。そしてそこにあわせたのが、和菓子店を営んでいた私の実家で祖父の代から使用していた「鳥居醤油店」の醤油。醤油とショコラが組み合わさることで、キャラメルのような味わいになるんです。
―ふきのとうのショコラ…ちょっと味わいが想像できません!
辻󠄀口さん:醤油の塩分がふきのとうの香りをもう一段上のステージへ引き上げてくれます。独特のほろ苦さもあり、口の中に入れたときに「あ、ふきのとうだ」としっかり感じられますよ。
続いて3つ目は、こちらの「能登ヒバと酒」です。
辻󠄀口さん:石川県の県木であるヒノキ科の「能登ヒバ」を使いたいというアイデアから生まれた、升の香りとそこに注がれる酒をイメージしたボンボンショコラです。能登はお祭りがすごく多く、お祭りのたびに鏡割りをして升酒を飲む風習があるので、その原風景を表現しました。
―実際に能登ヒバの木を使っているんですか?
辻󠄀口さん:能登ヒバの樹皮から香りを抽出してガナッシュに閉じ込めました。被災してしまった酒蔵「数馬酒造」の日本酒と珠洲の塩を使ったガナッシュを重ねた2層仕立てです。
辻󠄀口さん:お酒の味わいと、ふんわり漂う能登ヒバの香りのバランスが絶妙で、言うなれば“升酒のボンボンショコラ”ですね。
そして最後の4つ目は「能登柚子とレモンマリーゴールド」です。
辻󠄀口さん:能登半島の「あんがとう農園」で採れるハーブ「レモンマリーゴールド」の柑橘香が、能登柚子の香りと余韻をさらに強く印象付けるボンボンショコラです。こちらは3層構造ですね。
―柑橘系の爽やかな味がしそうです!
辻󠄀口さん:ハーブと柚子の相性が良く、食材同士の相乗効果が際立ちます。能登には「ゆべし」という柚子を使った餅菓子がありますが、それもイメージしながら、食感も楽しい爽やかな風味のボンボンショコラに仕上げました。
―4種類、どれも個性的ですね。どんな順番で食べるのがおすすめでしょうか。
辻󠄀口さん:記されたナンバー通りで。ナンバリングすることはコンクールで規定されているので、この順番で食べると味の移り変わりとしてもベストになるように計算されています。一粒を1/4くらいにカットして、4種類をループして味わったりするのもおすすめです。店頭ではショコラ専用のカッターも販売していますので、これを使うのも便利ですよ。
手にしているのがオリジナルのショコラ専用カッター「ワイルド カカオ ショコラ セパレーター」。〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉の店頭で販売しています。
―辻󠄀口さんにとって、たくさんの想いが込められている特別なアソートですね。
辻󠄀口さん:私自身にできることは微力ですが、こうやってショコラを通して能登をクローズアップすることが能登の震災を風化させないことにつながり、復興の一助になればうれしいです。まだまだ現地の復興は進んでいませんので、このバレンタインをきっかけに様々な支援が改めて活発化することを願っています。
自慢のタブレット12種を楽しめるボックスもおすすめ
辻󠄀口さん:もう一つのおすすめが、こちらの「タブレットショコラ コンプリートボックス」です。
辻󠄀口さん:ペルーの自社農園をはじめ、世界各所の産地から選び抜いた最高品質のカカオ豆を使用した、〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉のタブレット全12枚が入ったボックスです。
―タブレットは〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉の代表商品ですね。
辻󠄀口さん:徹底した品質管理と独自に開発した国内で類を見ないロースターでの自家焙煎、それぞれのカカオ豆の特徴に合わせ、1秒、1℃の細かな調整や手作業での選別作業を行い、カカオ豆本来のアロマを最大限に引き出す製法で唯一無二のおいしさを実現しました。
―こちらは食べる際のおすすめの順番はありますか?
辻󠄀口さん:自由です!世界旅行を楽しむように、そのときの気分で食べたいものをセレクトして、産地や品種ごとの個性をお楽しみいただければと思います。1枚が5等分に割れるようになっていますので、少しずつ、時間をかけて。こんなに味が違うのかと、きっと驚くと思いますよ。
―ショコラ好きにはたまらないアソートですね。お気に入りの味を見つけるのも楽しそうです。では最後に、お客様へのメッセージをお願いします!
辻󠄀口さん:たくさんのクリエイションをしながら、今年も新しいショコラの世界観を作ってきました。それぞれに個性や思い入れがあって、どのショコラも私にとっては可愛い子供のようなものなので、いろいろな表情を持ったショコラを楽しんでいただければと思います。
〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉C.C.C. 能登の大地の恵み 2,500円(税込)
〈ル ショコラ ドゥ アッシュ〉タブレットショコラ コンプリートボックス 11,200円(税込)
SHOP INFORMATION
ル ショコラ ドゥ アッシュ 渋谷ヒカリエ ShinQs 東横のれん街店
【営業時間】平日・土曜 11:00 - 21:00 日曜・祝日 11:00 - 20:00
【定休日】不定休