長芋を、もっと自由に!
長芋の旬は、11~12月(秋掘り)と越冬後の3~4月(春掘り)の2回あります。北海道と青森が二大産地で、国内生産量の75%程度を占めます。これから年末にかけて長芋が美味しい季節です。 芋類の中でも、生で食べられるのが特徴の長芋は、すりおろしてとろろにしたり、刻んでシャキシャキした食感を楽しんだりすることが多いと思います。でも実は、じっくりゆっくり火を通すと、ホックリした食感と甘さを感じることができます。私が長芋のこうした美味しさに目覚めたのは32年前のことでした。
義母の実家である新潟の家に伝わる大晦日にいただく鴨と長芋の汁。2.5cmほどの厚みの斜め切りにした長芋を一番出汁と鴨ガラの合わせ出汁でほっくりと煮ていただきます。これがなんとも言えず美味しくて、これを食べたいがために鴨ガラを取り寄せて煮出すのも厭わないようになりました。お味噌汁に入れて、ゆっくり火を通して柔らかくして食べるのも、普段の食卓におすすめです。
汁ものでなくてもじっくりゆっくり火を通すことはできますよね。フライパンでゆっくり焼くのもまた違った美味しさが楽しめます。
長芋の皮を剥いて、形はどのようにでも自由ですが、厚さは1cmくらいに切り、じっくりと全面を弱火で焼きます。周りにいい焼き目ができたらOK。塩胡椒だけで食べてもよし、フライパンから上げる前にジュッと醤油をひとたらしでもよし。シンプルな味付けが美味しいのです。
長芋を一本買うと、全部すぐには使いきれないお宅も多いかと思います。こんな食べ方もぜひ試してみてくださいね。
材料
長芋 長さ12cm
油 少々
塩・胡椒 各少々
作り方
1.長芋は皮を剥いて1cm厚さに切り、酢水 (3%程度の酢を加えた水、分量外) に15分ほどつけてアクを抜く。
2.フライパンに油をひき、1の長芋の水気をふいて、全面を弱火でじっくり焼き上げる。
3.塩・胡椒を振る。
教えてくれた人
サカイ 優佳子 サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。
https://yukakosakai.com/