ちょっと中華な「フィッシュケーク」
マッシュしたじゃがいもと白身魚。香ばしく焼き上げた衣の中から立ち上るのは、干し椎茸、豆豉、オイスターソースのうまみとコク。イギリスの伝統家庭料理「フィッシュケーク」を、ちょっとアジア風にアレンジしてみました。
もともとフィッシュケークは、イギリスやアイルランドで親しまれてきた料理。マッシュポテトにほぐした白身魚(伝統的にはタラやハドック)を混ぜ込み、衣をつけて揚げたり焼いたりしたもの。イメージとしては、魚入りのコロッケといったところ。家庭料理として、またパブの定番メニューとしても知られています。
今回はこのクラシックなレシピに、日本の干し椎茸と、中国の発酵調味料、豆豉とオイスターソースをプラス。乾物と発酵をかけあわせ、奥行きのあるうま味を加えてみました。
主役となる魚にはタラ(鱈)を使っていますが、実はこのタラ、乱獲や海水温の上昇により資源量の減少が課題になっている魚のひとつ。特に、イギリスやアメリカ、カナダなどでは、資源保全のため漁獲制限がかかることもあるのです。私たちが手に取る一切れの切り身のこんな背景も、心にとめておきたいですね。
このレシピは、タラ以外の魚でももちろん代用可能。他の白身魚や鮭を使うのもおすすめです。残った焼き魚をほぐして使えば、食品ロス削減にもなりますね。家庭料理は、この材料がなければできない、、ではなく、今あるもの、入手しやすいもので自在にアレンジを楽しみたいものです。
ところで、このサイトでの連載も266回を迎えました。実に22年を超えて連載させていただきましたが、今回が最後となります。
家庭料理を楽しむ人が増えることは、健康に、家族の絆に、生産者の手取りアップに、食品ロス削減につながると考えています。
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長年、このコラムをお読みいただき、どうもありがとうございました。
#266 干し椎茸入りフィッシュケーク
材料(2人分)
干し椎茸 5g
生タラ 2〜3切れ(正味170g)
A(日本酒 大さじ1、干し椎茸の戻し汁)
じゃがいも 正味170g
豆鼓 小さじ1(約10粒)
オイスターソース 小さじ1
塩 少々
米粉(小麦粉でも可)、溶き卵、パン粉 各適量
オリーブ油 適量
レモン 適量
作り方
1. 干し椎茸は、細かく割って50mlの水で15〜20分ほど戻したら水気を絞り、細かく刻む。(より美味しく作るには、冷蔵庫で7〜8時間戻してから刻む)
2. 生鱈はAで7〜8分蒸し煮して火を通し、皮と骨をとってあらくほぐす。
3. じゃがいもは茹でて(あるいは蒸して)から、あらく潰す(皮は取り除く)。
4. 1、2、3と刻んだ豆鼓、オイスターソースを加え混ぜ、塩で味を調えたら、直径5cmほどの円盤型にまとめ、米粉、卵、パン粉の順に衣をつける。
5. 刷毛やスプレーでオリーブオイルを4の表面に塗り、180度のオーブンで20分焼いた後、220度にあげてさらに5分ほど焼き色がつくまで焼き、レモンを添えて供する。
*塩鱈を使うとしょっぱくなりすぎるので、必ず生鱈を使ってください。
*鱈は、塩をして5分ほどおいて、でてきた水気を拭き取ってから使うと臭みがとれます。
*3でじゃがいもの皮を剥いてから茹でたり蒸したりした場合は、水を切ってから鍋に戻して火にかけ、余分な水分を飛ばしてから次の作業に入ってください。これをしないと水っぽくなります。
*オーブンがなければフライパンで揚げ焼きにしてもよいです。
*乾物のじゃがいも(ポテトフレーク)を使えば加熱不要で時短になります。
教えてくれた人
サカイ 優佳子 サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。