サカイ優佳子の食育のヒント
じゃがいもフレークで作るニョッキ
粉モノって便利!
先日、防災の現場に長く携わる方にお話を伺う機会がありました。その方によれば、被災した時に便利なのは「粉モノ」。特にじゃがいものフレークは水で溶くだけで食べられ、離乳食にも高齢の方の食事にも対応できるのでお勧めとのこと。
子どもの頃に食べた「マッシュポテトの素」のような商品に妙な味がついていて美味しいと思えず、その後は店で見かけても手に取ることはなく数十年が過ぎていましたが、この話を伺ってすぐ、近くのスーパー数軒に行ってみました。じゃがいもやかぼちゃ、おからなど、味つけせずに素材だけで作った粉状、フレーク状の商品が、多くの店に置いてありました。 じゃがいもフレークを使ってみると、例えばポテトサラダやコロッケ、シェパードパイ、ヴィシソワーズなどに、じゃがいもを茹でる、潰すなどの手間をかけずに水を加えて混ぜるだけで使える便利さはなかなかのもの。味も悪くありません。じゃがいも入りのニョッキもとても手軽に作ることができました。
日常の料理作りに乾物を使うことは、食の防災訓練にもなると常々思い、伝えてきました。粉モノも乾物。常温で長期間保存ができる頼もしさがあります。普段から使っている素材でないと、もしもの時になって急に使いこなすことは難しいもの。また、火を通さなくても食べられるものは何か、水を加えるだけで食べることができるのは何か、そんなことを意識して、家にある食材を今一度見直してみることも大切と思います。もちろん、普段はそうした便利な食材をより美味しく調理することも考えながら。
じゃがいものフレーク、我が家の常備品のひとつになりそうです。
#175 じゃがいもフレークで作るニョッキ 材料 (3~4人分)
- じゃがいもフレーク 150g
- 水 360cc
- 強力粉 120g
- おろしたパルミジャーノレッジャーノチーズ(粉チーズでも可) 30g
- 卵 1個
作り方
- 材料を全部ボウルに入れ、よく混ぜたら、好みのニョッキ形に成形する。
- 1.を、たっぷりの湯で浮き上がってくるまで茹でる。
(写真は、生クリームとブルーチーズのソース。挽きたての黒胡椒を振って)
教えてくれた人
サカイ 優佳子 サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。