ゆったりした時間を♪紫花豆のジャム&蜂蜜漬け

ゆったりした時間を♪紫花豆のジャム&蜂蜜漬け

豆料理で、忙しい気分をリセット

会社勤めをしている女友だちが、「平日は家がどんどん散らかり、週末に片付けるという感じの忙しさ。でも、豆を水で戻して煮ていた時に、『あ、私、ていねいに暮している気がする』と感じて心が満たされるような気がした」と語ってくれたことがあります。
会社員で2歳の男の子の子育て中の男性が、「週末になると豆を買って自分で煮て食べさせています」と、SNSのグループに何度か写真を投稿してくれました。子どもに食べさせるために豆を煮る彼の姿は自然体で、それが彼の暮らしの一部に溶け込んでいるようにも見えるのです。

忙しい、時間がないと思っている時に、あえてゆったりした時間の使い方をする。豆を煮るというのは、そんな時にお勧めの料理かもしれません。出来上がりまでの時間は長くかかりますが、でも実は実際に手を動かす時間は短く、放っておけばできてしまう気楽さもあります。それでいて豆を煮たという達成感!?も得られます。
一般的には豆は8時間ほど水に浸けて戻す必要があります。浸ける作業自体は、でも数十秒で完了です。子どもと遊んだり、眠ったり、仕事をしたりしている間に、豆は勝手に戻ってくれます。そして煮る。45分から1時間かかりますが、焦げないようにたまに気をつけて見てやれば、弱火でコトコト煮るだけのことで、他のことをしていられます(保温鍋や保温モードの炊飯器に入れておくおくだけでもできてしまいます)。

「でも、甘い煮豆があまり好きではないから」という声も聞こえてきそうです。鶏肉や豚肉と一緒に洋風に煮込む、カレーに入れる、サラダに入れる(そのままでも、潰してペースト状にしてポテサラのポテトの代わりにするなどもお勧め)など、使い方はいろいろ。茹でた豆は冷凍しておくこともできます。そして甘い煮豆も、ただ砂糖たっぷりで煮含めるのではなく、アレンジ次第でもっと楽しめます。老舗の乾物店さんに教えていただいたのは、茹で上がった豆をコーヒーとクリームと砂糖を混ぜた中に漬け込んでおくというコーヒー味の煮豆。金時豆など赤い豆に合うように思います。

さてご紹介するレシピは、たまたまご近所からいただいた金柑ジャムとお土産にもらった蜂蜜を混ぜた中に、茹で上がった豆を浸けてみたもの。他のジャムでももちろんOK。紫花豆はとても大きくふっくらしているので、一粒を豆皿でお茶菓子のように、あるいは洋風料理の前菜や付け合わせとしてお出しするだけでも喜んでいただけると思います。お試しくださいね。

#170 紫花豆のジャム&蜂蜜漬け 材料

  • 紫花豆 20粒
  • 金柑ジャム 大さじ2
  • 蜂蜜 大さじ2

作り方

  1. 紫花豆は水に浸けて2日ほどおく(他の豆に比べて大きいのでこの方が柔らかく仕上がる)。
  2. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、1を1時間ほど、柔らかくなるまでコトコト煮る。
  3. 2が柔らかくなったら、ゆで汁から取り出してジャムと蜂蜜を合わせ混ぜ、そのまま粗熱を取る。

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教えてくれた人

サカイ 優佳子 サステナブル料理研究家/一般社団法人DRYandPEACE代表理事 外資系金融機関等に勤務の後、娘のアトピーをきっかけに食の活動を開始。海外での豊富な食体験をベースにレシピを開発する。2002年から、あえて栄養学に触れず、五感で感じること、食から社会を見ることを重視する食育ワークショップ「食の探偵団」を主宰。08年からは田んぼを残したいと米粉の普及に尽力。11年から食品ロス削減にもなり、冷蔵庫に頼らず、輸送の際のCO2も削減できる乾物は未来食との想いから、乾物の普及につとめる。2013年から乾物を使ったカレーを食べることで内モンゴルの砂漠緑化に繋げる乾物ドライカレーパンプロジェクト及び乾物カレーの日をプロデュース。「レシピをみないでささっと料理ができる」、「毎日の料理が楽しくなる」家庭料理全般のパーソナルトレーニングをオンラインで実施して好評を得ている。

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