理瀬

2021年3月に長女を出産。美術館や観劇が好きな美大卒の30代ママです。仕事はデザイン系で、現在育休中。スマート家電と宅配サービスフル活用で、楽な家事育児を模索中。保育園激戦区のため復職時期に悩まされつつ、楽しく子育て中です!

2021.08.31

初産ながら出産フルコース?イレギュラーだらけの出産の記録

Diary

こんにちは、理瀬です!
毎日暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。我が家はそうめんとアイスの消費が止まりません…。
今回は私の『出産エピソード』をお届けします。私のお産は色々とイレギュラーなことが起きたので、長いのですが、ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです!

◆ 臨月、1度目の陣痛
妊娠発覚から、特に大きな問題もなく順調なマタニティライフを過ごしていたある日のこと。
臨月を迎え、陣痛が来るジンクス、通称『陣クス』を試すべく、夫と焼肉を食べに行きました。(「陣クス」は焼肉を食べる以外にも、栄養ドリンクの「オロナミン○」を飲むなどいろいろあるようです。医学的根拠はないようなので、あくまでジンクスですね!)
実は焼肉屋に向かう道中から、「今日はいつもよりお腹が張るなぁ…」と思っていました。しかし臨月になると前駆陣痛が来ることもあると聞いていたので、あまり深く考えずに食事をし、帰宅しようと車に乗り込んだその瞬間…
ズキーン! 
と、激しい痛みに襲われました。
その後も繰り返す痛みの間隔を測ってみると、なんと5分。「これは陣痛かもしれない」と慌てて病院に電話すると、「すぐ来て下さい」とのことだったので急いで産院に向かいました。
診察の結果、やはり陣痛とのこと。予定日より11日早く入院することになりました。まさかの「陣クス」、大当たりでした。

陣痛は、生理痛の痛みに似ています。おへその下あたりに3〜5分間隔で鋭い痛みが走り、何度もベッドの柵を掴んでは叫び声を押し殺しました。定期的に助産師さんが子宮口の開きをチェックするも、1センチから変化なし。実は無痛分娩を希望していたのですが、子宮口がある程度開かないと無痛の麻酔を打てないとのことで、ひたすら痛みに耐えながら5時間ほど過ごしました。

気付いたら寝てしまった私。
目が覚めた頃には、すっかり陣痛が治まってしまっていました。
助産師さんからは「“陣痛あるある”です。思わせぶりな赤ちゃんもいるので、一旦帰って様子見ですね」と言われました。

翌朝退院し、帰宅。
「何しに来たんだ、私は…」と無力感で一杯になりつつ、昨晩の辛い陣痛の時間を病院で過ごせたのは安心だったな、とポジティブに思考を切り替えたのでした。
なんと、この日は二回目の結婚記念日。記念日をお祝いしようと赤ちゃん頑張ってくれたのかな?それとも、夫婦二人で過ごせるように気を利かせてくれたのかな?と笑いながら、その日は夫婦でゆっくりお祝いすることができました。

(余談ですが、このフライング入院は保険適用外のため、12時間しか滞在していないにも拘わらず、なんと14万円も請求されてしまいました!!
出産前になかなか痛い出費でした…。)

◆ 予定日1週間超過…誘発入院
1度目の陣痛の後、お腹の中の居心地の良さを再認識したのか、赤ちゃんはなかなか出てきてくれませんでした。毎日4,000歩から、多い日で8,000歩ほどウォーキングしてみたり、もう一度「陣クス」に掛けて焼肉を食べたり、「オロナミン○」を飲んでみたりするも、全く効果無し。
予定日を1週間以上超過すると良いお産にならないことが多いとのことで、予定日を1週間過ぎた頃に、誘発のため入院することになりました。
出産予定日超過で待ちくたびれていたので、出産の恐怖よりも「やっと赤ちゃんに会える!」という嬉しさでウキウキしていました。
内診したところ、子宮口がまだ1センチしか開いていなかったので、バルーン(ダイラパン)を入れることになりました。
完全に油断していたのですが、これが本当にトラウマレベルの激痛で…。深呼吸をしながら声を押し殺しても「グゥゥアアアァ…」と声が漏れ出てしまう程辛かったです。終わった後、汗だくでグッタリしながら「無痛分娩の予定なのに、麻酔の前にこんなに痛い思いをするなんて知らなかった…」と早くも心が折れそうでした。

バルーンを入れたまま朝まで就寝とのことでしたが、入れたところがズキズキと痛んでなかなか寝付けませんでした。すると深夜、生理のときのような、ジュワ…っと何かが漏れる感じがして、電気をつけてみるとショーツが真っ赤になっていました!すぐにナースコールをして内診した結果、先生からは「破水の陽性反応が出ていますが、出血もあるので偽陽性の可能性もあります。本当に破水していた場合は母子ともに感染症リスクがあるので、バルーンを抜く必要がありますが、そうするとまだ子宮口が十分に開いてないのでお産が長引くかもしれません。安全面を優先して、バルーンを抜いていいですか?」と言われました。
これには、「はい」と答えるしかありませんでしたが、さっき辛い思いをして入れたばかりのバルーンを僅か3時間で抜くことになってしまい、抜くときもまた激痛。相当辛かったです…。

翌朝、子宮口はバルーン効果で2センチに広がっていました。抜かなければ5センチくらいになっていたのかもしれません。

ここから、促進剤の点滴を開始しました。陣痛がどんどん強くなり、重い生理痛のような痛みが頻発するようになります。数年前に急性胃腸炎で入院した時くらいの痛みが2分間隔で訪れ、悶絶して声を殺しながら「ゥゥアアアァ痛い、痛い…痛いよーー」と言いながら分娩台の手すりを叩き続けました。無痛の麻酔はまだかと聞くと、麻酔科の先生は「2センチじゃ、まだまだね」と言って去っていきました…(涙)。
コロナ禍で立ち会い出産がNGだったため、痛みと闘いながら夫とLINE通話を開始。ひたすら「痛い!」「痛いよね…がんばって…」しか繰り返されない通話でしたが、夫の顔を見て、声を聞くだけで少し癒されました。何もできず、夫も辛かったと思います。

◆促進剤+無痛麻酔。なかなか進まないお産
子宮口3センチになると、いよいよ背中から無痛の麻酔を入れてもらいました。その麻酔の処置をしていた時、いきなりバシャーッと破水。服も下着も全部ビショビショになるくらいの量で「完全破水」と診断されました。
それから30分後、麻酔が効いて無敵の状態に!

痛みを感じたら自分でボタンを押して、少量ずつ麻酔を入れていきます。
あまりに効きすぎるとお産が進まないので、軽い生理痛くらいの痛みをキープ。
その分促進剤の量は何倍にも増やされましたが、もう完全に余裕でした。夫や両親とビデオ通話で雑談したり、余裕の笑みで「無痛サイコー!安心して!」などと言ったりしていました。

…その後の展開を、一体誰が予想できたでしょうか。

◆まさかの緊急帝王切開
促進剤+麻酔で子宮口4センチまで開いた所で、先生や助産師さんがバタバタと6、7人走ってきて突然言いました。

「赤ちゃんが苦しそうなサインを出しています。このまま子宮口が全開になるのを待っているのは危険なので、緊急カイザーに切り替えます」

昨晩の前期破水と、今日の完全破水で羊水が減っていたのも、原因の一つだったようです。まるで出産前に見た出産ドラマのような光景。
先生が「あと10分で執刀します」と話す声が聞こえてきました。
その後、麻酔を入れ、点滴を入れ、血圧を測り、採血をし、検温し、尿管を通し、手術について説明し、同意書にサイン…。
それらが全てほぼ同時に行われていて、その間10分程でしたがとても目まぐるしかったことを覚えています。

さっきまで無痛の麻酔が効いて、このまま楽に出産できる!と完全に油断していた私。現実を受け入れることに精一杯でしたが、せめて夫には自分から連絡をしたいと思い、一瞬だけ電話をかけました。その時の夫の声はとても冷静で頼もしく感じました。後から聞くと、夫もかなり動揺していたみたいですが。

これから開腹手術をするという避けられない急展開の中、麻酔で徐々に感覚が失われていく下半身。看護師さんや助産師さんたちが慌ただしく走り回る姿。立ち会い出産ができず、家族と離れ一人きり…。
それらの全てが不安でした。

赤ちゃんは無事だろうか?私はどうなるのだろうか?手術室に運ばれている時は怖くて怖くて、お腹をさすりながら震えと涙が止まりませんでした。
それでも、万が一のために大学病院を選んだのだから、信じよう…と意を決し、身を委ねました。
助産師さんや、麻酔科の先生が側ずっと声をかけて手を握り続けてくれたことで、安心することもできました。

帝王切開は、手術室に入ってしまえば本当にあっという間でした。
身体の感覚は無いけれど、目も見えるし、頭もハッキリしています。
自分のお腹がゴム製になって、内側をグニョ〜〜っと引っ張られているような不思議な感覚がしたかと思ったら、可愛い娘の産声が聞こえました。
その声が聞こえた瞬間、安堵でまた涙が止まらなくなりました。


さて、無事出産を終え、安心したのも束の間。
待っていたのは帝王切開後のお腹の痛みでした。
痛み止めを飲んでいても、1メートル歩くのに10秒以上かかります。起き上がる時も激痛で、ベッドのリクライニング機能が無かったら絶望して泣いていたと思います。
せっかく会えた娘を抱っこしたくても、お腹が痛くて数分が限界でした。このお腹の痛みは、退院してからもしばらく続きました。

文字数の関係でほぼ辛かったエピソードになってしまったのですが…。
結局私は、陣痛→誘発→無痛→帝王切開と、初産ながらフルコースのお産を経験したことになりました。
当時は「このお産の辛さは一生忘れないだろう」と思っていたのですが、毎日必死に娘を育てているうちにすっかり記憶が遠く彼方に…。
このブログを書きながら、久しぶりに思い出すことができました。まだ半年しか経っていないのに、です。

母子共に無事だったお陰で幸せな今があると思うと、本当に病院の先生方、助産師さん、看護師さんたちには感謝の気持ちでいっぱいですね。

以上、理瀬の出産エピソードでした。