ビスケット

生まれも育ちも渋谷の元箱入り娘→今はおしゃまな5歳の娘とわんぱく2歳の息子 のママフォトグラファー・ライター。スイーツ写真が好き♪男性育休などさまざまな制度を利用しつつ、アメリカ人の夫と夫婦二人三脚でバイリンガルな子育てを楽しんでいます。

2021.10.26

私の出産エピソード③無痛分娩は優雅?!感動の出産編

Diary

こんにちは!ビスケットです。
前回まで、無痛分娩のメリットとデメリットや産院チェックインから麻酔の処置についてご紹介してきましたが、今回は無痛分娩の「出産」の様子をお伝えしたいと思います。

ちなみに、私は2回の出産ともに、夜に陣痛が始まって、午前中の出産になりました。
子宮口が全開するまでは「待ち時間」になるのですが、一時間おきに看護師さんが様子を見に来てくれる産院でした。きめ細かいケアが行き届いていたため、普通分娩より費用がかかるのは仕方がないと納得したのを覚えています。

仮眠をとりながらこの「待ち時間」を過ごし、出産の数時間前になると、赤ちゃんが産道を通ってきやすいようにヨガなど軽い運動を実施。

この間、麻酔が効いている私は、不思議なほど痛みもなにもない状態。夫にはしっかり睡眠を取ってもらうべく、一度帰宅してしっかり寝てきてもらいました。

出産はママの大仕事ですが、パパにとっても、仕事中に「陣痛が始まった」と連絡が入ったり、いつ産まれるかとそわそわしたり、痛みに苦しんでいるママを励ましたりと、なかなか大変なことだと思います。
その点、計画的な無痛分娩を選んだ場合は、特に立ち会いを希望している家族にとっては少し気持ちが楽かもしれませんね。


さて、翌朝いよいよ出産間近に。
2人目の時、子宮口が全開し分娩室に移動する際に、助産師さんから「経産婦さんはあっという間だから、赤ちゃんが降りてきたら感覚で分かりますよ」と言われました。
「そんなの分かるの!?」と私は半信半疑。
と思っていた矢先、ずんとした重みを感じ、本当に赤ちゃんが降りてくるのがはっきりとわかりました!

分娩室では、最後にいきむだけで良いように、助産師さんとゆっくり微調整。
「少しだけ押し出して」という細かい指示も、麻酔で痛みはないものの感覚はあるので、意外とできるものです。

そして、出てきた頭を触らせて貰いました。

「わー!髪の毛フサフサ!」

いよいよ会えるっ!!

赤ちゃんが楽に生まれてこられるよう、ママがそのお手伝いできるというのは、嬉しいですよね。赤ちゃんが降りたいという感覚がダイレクトに伝わってくるので、いきむのも共同作業をしている感覚。赤ちゃんと息をぴったり揃えます。
吸って吐いて…、つるんと出てきました。

「上のお姉ちゃんが、決死の思いで産道を開いて道筋を作ってくれたから、下の子はずっと楽に出られるんですよ」と助産師さん。
それを聞いて「上の子も頑張ってくれていたんだな」と、思わず涙。

お兄ちゃん、お姉ちゃんにはこんな大きな借りがあるから、世の中の下の子達は、一度くらいは上の兄弟のお願いを聞いてあげてほしいものですね(笑)


以前に周りから聞いていた無痛分娩の話の中には「何も感じなくて、産んだ感覚がなかった」という話もあり、多少の不安はありました。しかし私の場合は、自分で麻酔の量も調整できたし、お腹の張りや赤ちゃんの動きも分かり、産んだ実感と充実感が残るかけがえのない出産になりました。

苦しい思いをしながら、それこそ決死の覚悟で産道を降りてくる赤ちゃん。その時に、陣痛の痛みでママがうまく力めなかったり、呼吸が浅くなったりすると、同じように赤ちゃんも苦しいのかなと思うと、赤ちゃんの生まれるお手伝いを助産師さんと一緒に無痛分娩のお陰でできたのかなという考え方もあります。

そしてなにより、立ち会ってくれた夫と共に、穏やかにほのぼのと新しい家族を迎えることができたのが嬉しかった私。夫が私の手を握り、感動の瞬間を夫婦で分かち合えたのは素晴らしい体験になりました。
(実は、どうしても立ち会いがしたいという夫に対し、無理に立ち合わなくていいというスタンスだった私。壮絶な出産劇がトラウマになり夫婦関係に溝ができるのではないかと心配していたので…。立ち会い出産や夫の様子についてはまた別の機会にお話しできたらと思います!)


ちなみに、胎盤の状態をチェックする時に私も見せてもらいましたよ。
赤ちゃんが気持ちよく過ごせただろうフカフカのベッドを見て、妊娠期間中、無事に一緒に過ごせたことに改めて感謝。
病気以外で自分の体の一部をごっそり失うことはないでしょうし、あれだけ大量の血を失っても生きていられるなんて、やっぱり女性の体は凄い!

「こんなに楽ならあと10人は産めるな〜」なんてお気楽なことを思った私の出産。もちろんこの後、地獄の後陣痛、産褥期間、怒濤の子育てと始まるのですが…(笑)。

出産直後から、スキップ出来るくらいの疲労度で、産後ケアの制度も利用しながらしっかり体を回復させたうえで育児に挑むことができたというのも、とても助かりました。


お産は命がけ。
最高の医療チームで絶対安心だと信じていても、お産に挑む女性は、心の奥底で「命を落とすかもしれない」という覚悟を決めていると思います。
私も、下の子のお産前夜は、娘を抱きしめて寝ました。絶対に帰って来るけれど、もしかしたら最後になるかもしれないという思いも…。

幸いなことに私の無痛分娩は穏やかなお産になりましたが、命がけであることには変わりません。

産まれた息子を抱きしめて、無事、母子ともに生きていることに感謝して、涙がポロポロ。そして、息子の誕生と同じくらい、生きて娘にまた会えたことにほっとしましたよ。

もちろん、無痛分娩にしろ自然分娩にしろリスクは伴い、麻酔医師の少ない日本の現状で無痛分娩をむやみに勧めているわけではありません。

どれがベストなお産かというのは人それぞれ。こんな選択肢もあるという参考にしていただければ幸いです。